2008年04月18日

「流汗悟道」

   4月16日・17日両日姫路で開かれた日本教育者セミナーに3年ぶりに参加させていただきました。多くの方と旧交を温められたことはこの上なくよかったのですが、そこで拝聴した講演は、まさに感動と衝撃の連続でした。
 特に、元松下政経塾の塾長を10年務められ、現在「青年塾」を主催されている上甲晃氏のお話には、感動と言うより、魂がゆさぶられました。故松下幸之助氏から伝授された上甲氏の言葉すべてに経験から来る重さがあり、ズシンと胸に響きました。 
  講演の中では数々の印象的な言葉があったのですが、その中でも『流汗悟道』という言葉は、私の今後の人生訓ともなる言葉でした。心が整わないのに、勉強しても本当のものは身につかない。額に汗を流せば大事なことがわかる。上甲氏は掃除の話を例に挙げられ、心の勉強の必要性を説かれました。
  
  先日こんなことがありました。塾の通りをはさんで向かいにある会社の方(父親)が、塾に来られ、「うちの娘をぜひこの塾に入れたい」と言われたのです。私どもの塾では、一度体験授業を受けていただいてその後に入塾を決めていただくことにしているのですが、その父親は娘さんをもう塾に入れる気満々で来られました。父親によれば、私がよく塾の前を掃除する姿を見ていたのだとか。その掃除している姿を見て、「こんな塾長のいる塾にうちの娘を預けてみよう」と決意したのだそうです。
はじめは上の中学1年生になる娘さんだけを入塾させようとされたそうですが、体験授業を受けた下の小学2年生の娘さんも入塾を希望され、結局2人とも入塾していただくことになりました。
 私は「環境が整うと、学ぶ心も整う」と思い、率先垂範して掃除をしてきましたが、まさかそれを見ている人がいようとは考えもしませんでした。上甲氏は朝の掃除を強要され、掃除することにどんな意義があるのかと問い質す「青年塾」の塾生に対し、「目に見えない心を磨くよりも、まず目に見える心を磨け」と言ったそうです。
 
  私はこの講演を聴いて、人に求める限りは自分でする姿勢を貫きとおす気概と、経営者としてのみずみずしい感性を持ち、「自立」した人間や塾生を育てるよう全力を傾けようと強く決心しました。こんな私に喝を与えていただいた上甲氏と、そんな機会を与えていただいた日本教育者セミナーの関係者の皆さんに深く感謝致します。

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