2015年08月19日

一流の人

 今年の高校野球選手権大会も明日決勝戦を控えて今やたけなわ。各都道府県予選を勝ち抜いたチームが集まり激戦を重ねてきた。そのトップを極めるのはわずか一校だけである。
 

しかし、甲子園まで勝ち進んできた選手たちそのチームに共通するものがある。ただ野球がうまいだけでは決して甲子園には出てこれない。野球の技術を越えた心が備わっているのである。
 

 その一つが「あいさつ」。どのチームの選手も、元気よく心のこもった声であいさつをしてくれる。

 二つ目が「礼儀正しさ」。あいさつするにしても、帽子を脱いで、相手の目をみながらあいさつをする。

 三つ目が「謙虚さ」。自分の力を過信することなく、どんな相手チームであろうと見下ろすことはしない。

 最後に「感謝の心」。周りの人の支えがあって野球に打ち込める。これこそスポーツマインドではないだろうか。高校野球は「人間教育」の一環であると言われる所以である。
  
 選手の中で、プロ野球でメシを食えるのはほんの一握り。高校で野球をやめる選手もいる。仙台育英高校の佐々木柊野主将は、母子家庭で育った。「野球で、ひとりではなにもできないと学んだ。周りの人と協力して、人のためになる仕事がしたい

卒業後は就職をしてこれまで私立高校で自由に野球をやらせてくれた母親を支えたいと、消防士を目指すという。彼の甲子園での集中した一挙手一動が成功の糧となる。頑張れと声援を送りたくなる。
 

 監督にも一流の人が多くいた。部員わずか11人でセンバツ初出場。そして、準優勝し「さわやかイレブン旋風」を甲子園に巻き起こした。夏の選手権大会でも優勝経験のある徳島県立池田高校の蔦文也監督がその人。
 

 私は高校野球の監督時代一度池田高校を訪問してお話を伺ったことがある。その日はあいにくの雨だったのだが、練習を見て本当に驚かされた。

 雨の中それもかなりの強雨。生徒は黙々とマシンを相手にバッテイング練習に打ち込んでいた。守る生徒は長靴に傘をさした姿でボールを追っかけていた。これこそ『攻めダルマ』と言われた蔦さんの練習だった。「打たなけりゃ点は取れんわ」蔦監督はそう言われていた。その時甲子園ではほとんどバンドのサインは出さなかった蔦さんの野球観をかい間見ることができた。

 山間の子どもたちに、一度でいいから大海(甲子園)を見せてやりたかったんじゃ
 
 蔦監督の思いが、池田高校の校門横の石碑に刻まれているという。
 
一流の人には、常識を超えた考えと腰の低さ・人柄の良さが共通して備わっているものだ。

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