2012年12月01日

反骨精神で勝ち取った新人王!

 今年のプロ野球パリーグの最優秀新人王にロッテの益田直也投手が選ばれた。益田投手は、中継ぎ投手として、強打者にも150キロを超える直球で真っ向勝負を挑み、なんと144試合中新人最多記録の72試合に登板して新人王を獲得した。

 
 この益田投手、市立和歌山商業高校時代は控えのショート。関西国際大学に入ってから投手に転向したが、全国的には無名選手。ドラフトも4位でそんなに注目度は高くなかった。しかし物おじしないマウンド度胸が評価されて、新人ながら試合の終盤の勝負どころを任された。


 同期には、東洋大学出の藤岡選手がいた。藤岡選手は東都大学リーグでは剛腕で名をはせ、三振奪取記録を打ち立てた文字どおり大学野球のスーパースター。マスコミの取材が殺到する藤岡選手を横目に、「いつかは見返してやろう」と思ったという。
 

 母子家庭に育った益田選手は、苦労して育ててくれた母に契約金をすべて渡してプロ入りした。母しのぶさんは、打たれても抑えても毎日のように励ましのメールを送ってくれた。初勝利を記録した時には、ウイニングボールを母に贈った。新人王の知らせを受けた母は、泣いて喜んでくれたという。「オフに旅行に連れて行ってあげたい」高校時代は控えの選手だったのに、大学まで野球を続けさせてくれた感謝の心は、今も忘れていない

 
 益田投手を育てたのは関西国際大学。開学して20年にも満たない全国的にも知名度の低い大学であるが、ドラフト指名はここ5年で4人と、関西では、近畿大学に次ぐ2番目の多さだ。それも指名された選手はすべて投手である。
 
 投手が多く育つのは豊富な練習量にある。野村昌裕投手コーチによれば、投手は40人〜50人。本人が希望すれば投手になれるという。しかし、有名大学のように完成された選手はいない。だから徹底して鍛える。

練習は朝早くから始まり、授業が始まるまでダッシュなどで徹底して下半身を鍛えるなど、社会人チームの2日分のメニューをこなしている。足腰を鍛えることで、入学後球速は10キロ以上も増すという。


 指導は野球の技術だけでなく、あいさつ、取り組む姿勢など細部にわたる。野球を通じての人間教育なのだ。
 チームの根底にあるのは反骨精神。高校で日の目を見なくても大学で伸びる選手はいる。
「練習はうそをつかない」高校球児に希望を持たせるチームだ。