2011年04月01日

東北高校、甲子園で全力勇姿

 3月28日、東日本大震災で大打撃を受けた、仙台市内にある東北高校がセンバツ大会で甲子園球場に登場した。

 
 東北高校野球部は、震災後練習もままならず、対外試合などの実践練習はほとんどできていなかった。食事も一食にバナナ一本におにぎりだけの日もあり、19日大阪のホテルに入りやっとまともな食事ができるようになったという。当初は大会に参加することさえも危ぶまれていた。しかし、部員の安否がすべて確認されたことや東北の人たちのあと押しもあって参加にこぎつけた。


 試合は月曜日の早い時間にもかかわらず、三塁側のアルプススタンドには2万8千もの人々で埋め尽くされ。「がんばれ東北」「がんばろう日本」の旗を掲げながら励ましの声を張り上げた。応援団の中には兵庫県14校の野球部員約500人も友情応援に駆けつけた。

 
 東北の選手は、全員帽子のひさしのウラに9.11と書き刻み、被災者の方々の思いを背負って全力プレーをしょうと初戦の日大大垣戦に臨んだ。練習不足から投手は立ち上がりから不安定で、1回に5点の失点をし、結果は7対0の完敗であったが、自分たちのために、被災地のために、全力を尽くした。東北高校野球部の部訓「全力疾走!」は甲子園で生きていた。

 
 試合終了と同時に甲子園は拍手に包まれた。勝敗など関係ない。東北高校に対する賞賛と激励の拍手だった。最後の打者となった山田卓哉君は一塁へ闘志あふれるヘッドスライデイング。「ぼくたちは野球と甲子園に元気をもらいました。今度は、ぼくらの全力プレーで、被災者の方に一人でも元気になってもらいたかった」と話す。


 被災した故郷や亡くなった友人のことを思うと、野球どころではなかったはずだ。でも、自分たちがやるべきことは、はつらつとしたプレーを通して、東北に元気と光をもたらすことだ。そう思っていちずにプレーした。「苦しんでいる人たちがいるので、自分たちのできることをやりたい」敗れた選手たちはすぐに帰郷し、ボランテイア活動に復帰するという。彼らは地元の大事な社会資源となっている。


 キャプテンの植村健人君は「いろいろな人に支えられて野球ができた。震災でいままで当たり前にやっていたことが、当たり前じゃないことに気が付いた。甲子園に来てよかった。チームのだれも甲子園の土を取らなかった、夏、ここに戻って来る」と語った。


 東北高校は、昨秋東北大会を制した強豪チームだ。本来の力を発揮すれば、全国制覇も夢でない。「夏に必ず帰って来いよ!」と大きな声をかけてやりたい。