2009年09月14日

今こそ「米百俵の精神」を

 日本や欧米などの30の国の教育の現状データが経済協力開発機構(OECD)より公表された。これによると06年の各国の国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合を比べると、日本はわずか3.3%で28カ国中、何と下から2番目だった。7.2%のアイスランド・6.2%のデンマークなどに比べれば、数字上では日本は完全な教育後進国である。 


 かって戊辰戦争に敗れた長岡藩は明治新政府より減知され、6割を失って財政が逼迫し、藩士の生活は困窮を極めた。この窮状を救うため、三根山藩から百表の米が贈られることになった。


 これでみんなの生活が少しは楽になると藩士たちは大いに喜んだ。しかし、藩の大参事であった小林虎三郎は、この米を藩士に与えるのでなく、米を売った上で学校を開く費用とすることを決めた。
藩士たちは驚き小林虎三郎のもとに抗議に訪れるが、
 

 「この米を、一日か二日で食いつぶしてあとに何が残るのだ。国が興るも、滅びるも、まちが栄えるも、衰えるも、ことごとく人にある。……この百俵の米をもとにして、学校を建てたいのだ。この百俵は、今でこそただの百俵だが、後年には一万表になるか、百万俵になるか、はかりしれないものがある。いや米俵などでは、見積もれない尊いものになるのだ。その日暮らしでは、長岡は立ち上がれないぞ。新しい日本は生まれないぞ。……」と言って持論を押し通した。

 
 売られた米で開校したのが「国漢学校」であり、洋学局と医学局が設置された。この学校には庶民も入学を許され、今の新潟県立長岡高等学校の前身となったという。
この話は元総理大臣の小泉純一郎によって国会の所信表明演説で引用され有名な「米百俵の精神」という言葉になった。


「目先のことにとらわれず、明日のために行動せよ」という小林虎三郎の考えがひしひしと伝わってくる。教育は国の礎、子どもは国の資源である。それが世界の主だった国の中での教育支出が下から2番目とはなんという貧しい教育行政だろうか。


 教育支出もさることながら、教育環境面でも大きな遅れをとっている。1クラス平均の生徒数見ると、小学生で平均人数は28.2人で、OECDの平均21.4人と開きがあり、中学生に至っては1クラス33.2人で、平均の23.9人と大きく水をあけられている。


 つまり教育支出も教育環境も最悪に近いということになる。こんな国に未来はあるのだろうかと嘆かざるを得ない。


 長年続いた自民党政権が終わりを告げ、これにとって代わった民主党は教育への公的支出を5%以上(対GDP比)に引き上げるというが、これには約7〜8兆円の財源が必要となる。しかし文科省の今年度の予算は約5兆3千億円。果たして実現できるのだろうか。
民主党の『教育維新』に大いに期待したい。

2009年09月05日

競い合う学びの場

その生徒は塾にやって来るなり、「塾長、ぼく、やばい!」と言いながら、おもむろに成績表を差し出しました。私は「やばい!」という言葉に恐る恐る成績表をのぞくと、何とそこには5計56番という数字があったのです。


この生徒、一学期の期末試験でやっと念願の70番台に入れたというのに、実力テストではこれを上回り、5教科で過去最高順位の54番になったのです。数学が88点で学年7位ということも見ても、これは決してフロックではなく、自力で勝ち得たものだと言えます。
 

私は常々生徒には、「得意科目を伸ばして、自分の強い武器にしょう」と言って来ました。得意科目は好きな科目でもあり、みな意欲的に勉強します。かといって不得意科目を放っておくわけではありません。得意科目が伸びると相乗作用がはたらいて、不思議と不得意科目も伸びてくるものです。これを地でいったのがA君でした。A君は中学3年生。ほとんどの生徒がクラブ活動を引退して、受験勉強に目の色を変えて取り組んでいる最中だけに価値ある54番と言えます。


次の中3の女生徒は、「塾長!あたりー」と言って、Vサインをしながら満面笑みでやってきました。何のことかと尋ねると、英語の問題で私の予想した長文問題が的中し、それがモロに実力テストに出たと言うのです。しかも出題者によって問題に手が加えられることなく、ワークそのままに出たということでした。百数十ページもあるワーク中から予想しても「まさか、当たるまい」と思っていた私でしたが、生徒の言うとおりまさに「あたりー」であって塾長の面目躍如といったところでしょうか。配点が24点のこの問題に関して、中3生はほぼ全員が完答。うれしいじゃないですか。


中2生のSさん。暗い表情でソッと成績表を差し出しました。彼女の表情から察して、今回はよくないのかなーと思っていたら、何と実力テストの成績は過去最高の18番
いやー彼女の芸のうまさには驚かされました。彼女によれば私をビックリさせてやろうと一芝居うったとのこと。私はまんまとはめられてしまいました。でも、こんな芝居なら私はいつでも大歓迎です。


同じく中2生のEさん。他塾からエクシードに転入し、急激に成績をあげました。それも16番。成績が下がったことを親からこっぴどく叱られ、一念発起して最高順位を得ることができました。面談しながら喜ぶお母さんの笑顔がすごく印象的でした。しかし、成績をあげたら欲しい服を買ってもらうという親の物量作戦がそこにあったと知り、面談室には3人の笑い声が響き渡りました。


エクシードにはいろいろな生徒が集まってきていますが、うれしいのは学年の垣根を通り越してみんな仲がいいということです。ある高校生は小学生とも仲良くなって、下の名前で呼び合う仲となっています。小学生は、競い合いながら楽しく勉強しています。とくに速読の時間では、どの生徒も顔を真っ赤にしながら見事な速さで読んでいます。
今、私が担当している小3生は、杜甫の「春望」、清少納言の「枕草子」をよどみなく読むことができます。


人は競い合うことにより、もまれ自分を高めることができます。「ゆとり教育」によって奪われた本来の競い合う教育の姿がエクシードにはあります。私たちはこのエクシードメソッドをより一層浸透させようと日々勤しんでいます。