2011年03月16日

がんばれ日本!がんばれ東北!

 津波といえば、海岸沿いの人々が警戒するものという浅い考えがあった。かってスマトラ沖の大津波を見るにつけ、ああこれはインドネシアに起こったもので、日本ではあり得ない。そういった浅はかな思い込みもあった。
  
 三陸沖を襲ったマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震は想像を絶するものであった。どす黒い津波に流される民家や自動車はなすすべもなく、人の命がいかに簡単に奪われるものかを思い知らされた。
 
  リアス海岸で深く入り込んだ入り江が多いため、津波の被害をより一層増幅させてしまった。今は瓦礫と化した我が家を呆然と見つめて、行方不明の家族を探している被災者の方々の胸の内を慮ると心が痛む。


 それにしても日本のマスコミの地震報道のしかたには怒りが込み上げてくる。行方不明の母を探して「お母さん」と叫んでいる少女の姿をテレビ画面に映し出している。また、焦燥しきった被災者にインタビューのマイクをつきつけている。被災者の方の心情を察するとそんなことはできないはずだし、決してしてはならないことだ。


 地震のニュースを見るたびに死者、行方不明者がどんどん増えていく。何もできない無力な自分に腹がたつ。今はひたすら祈るしかない。行方不明の方々が少しでも早く発見されることを。
しかし、危険時間といわれる72時間も、はや過ぎてしまった。はがゆい。くやしい。


 世界中から被災した方々へ多くの援助の手が差しのべられている。
中国は、「日本国民が混乱せず、整然と震災に対応していることに感銘を受けた。地震の防災や救助の面における日本政府と国民の優れた面は、中国が見習う価値がある」と伝えている。


 イギリスのインディペンデント紙は、一面に国旗日の丸の下に、がんばれ日本・がんばれ東北と日本語で励ましの言葉を掲載し、「消えた街。1000人単位の死者。それでもこの国は反撃を始める」と題した記事で、国家規模の困難にもかかわらず、日本の心意気は健在であると伝えている。


 オバマ大統領は「日米両国の友情と同盟関係は揺るぎなく、日本の国民がこの悲劇を乗り越える上で、 立場をともにする決意は強まるのみだ」と語った。


 ニュージーランドのマカリー外相は、「クライストチャーチ市で悲劇が起き、援助を必要としている時に日本は私たちを支えてくれた。私たちの心は友人である日本国民とともにある」と述べている。心強い限りだ。こういった励ましがあるのも今まで日本が国際社会に大きく貢献してきたからこそだ。


 日本では、ソニーが3億円、電通が1億円など義援金を贈り、ユニクロや楽天の社長は10億円を提供した。官民一体となってこの国難を乗り越えなくてはならない。私たちもささやかだが、今こそ思いやりを形にしよう。世界に誇れる国民性を持つ日本。一致団結して試練を乗り越えよう。試練に耐えれば人は強く優しくなれる

 
犠牲者の方々に哀悼の意を表すると同時に、行方不明の方々の無事をひたすら祈りたい。

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