2008年08月29日

星野ジャパン惨敗!

 北京五輪で私が一番ショックだったことは星野ジャパンの惨敗でした。星野監督は「金メダル以外考えていない」と豪語したわりには惨憺たる結果に終わりました。

 私は全日本チームのメンバーを見た時、プロ野球各チームから器用そうな選手、打順で言えば、1.2番などの選手の集合体で、こじんまりまとまりすぎ、迫力がないなーと感じました。また、素人の私が見てもメンバーの人選に大きな誤りがあったように思います。選手団を引っ張っていく、中堅の実力派選手がほとんど見受けられません。例えば巨人の小笠原、ソフトバンクの松中・小久保など日本を代表するロングヒッターはもっといました。

 
 投手でもパリーグの勝ち頭、楽天の岩隈などが選からもれています。同じチームの田中を選ぶことなどキャリア・実績などから考えればありえないことです。星野監督からすれば、将来を見越しての抜擢だったのかもしれませんが、それならもっと数多く試合に出して経験を積ますべきだったのではないでしょうか。しかし、野球は北京五輪を最後にオリンピックの競技種目から除外されます。それを考えるともっと勝負にこだわる人選をすべきだったと思います。

 次に星野監督の采配ミスというより、選手起用にミスが多くあったように思います。まず、中日の岩瀬投手の起用法です。彼は日本を代表するストッパーですが、今年は調子が悪く、日本のペナントレースでもよく打ち込まれていました。その彼をあえて五輪メンバーに選ぶのであれば、彼の従来の登板スタイルを崩しては十分に彼の力を発揮できません。


 岩瀬投手のペナントレースの登板は、ほとんどの勝ち試合のストッパーで、1イニングしか投げていません。その彼は、北京五輪では、抑えにつなぐセットアッパーを任され、負け投手となった試合は、すべて同点の場面での登板で、そのうち2試合は、回をまたいで2イニングを投げさされ、その2イニング目のいずれにも失点しています。岩瀬投手は中日では、勝ちパターンで力を発揮する投手であるという認識に欠けています。それもメダルのかかった国際試合、同点で登板する岩瀬投手の緊張は私たちの想像をこえるものだったと思います。


 また、本来ライトを守っていた西武のGG佐藤選手を慣れないレフトに起用し、佐藤選手は試合を決するようなエラー(それもトンネルや落球などの恥ずべきエラー)を3つもおかしてしまいました。この起用も指揮者としては考えられないことです。レフトとライトでは打者の放つ打球の回転が全く違います。ましてやボールは馬皮の重い国際球、打たれた打球は微妙に変化するのです。外野の守備位置を替えるのであれば、メジャーリーグのイチローがライトからセンターに回ったこともあるように、ライトからセンター、レフトからセンターの入れ替えはあるのですが、レフトからライトへの急な入れ替えは考えられないことです。


 敗因には選手のハングリー精神の欠如もありました。日本の選手団の団長が五輪終了後、星野ジャパンに苦言を呈したように、選手はみな選手村には入らず、5つ星の高級ホテルでVIP待遇。それに1週間あまり合宿をして、オリンピックで勝とうなんて甘すぎます。優勝した韓国は、国内リーグを一時中止して、選手をオリンピックだけに集中させ、選手団は一オリンピックに出場する一選手として選手村に入り、韓国の他の競技の選手との一体感もありました。年棒は巨人の李を除いて、6000万円が最高の選手団。勝てば兵役が免除されるなどの特典もあり、勝つための執念はすさまじく、まさに必死です。


 私は星野フアンで、特に巨人戦で闘志丸出しに向かう姿勢が大好きでした。しかし、今回の北京五輪ではそんな姿は少しも見えませんでした。ベンチで座って試合を見つめる星野監督には何の魅力も感じません。「闘将」という彼の代名詞はもはや死語になっています。彼も監督を退いてから時も経ち、現場感覚が薄れてしまっているのでしょう。コーチ陣すべても現場を離れている評論家の集まりです。これではいい結果が出ようはずがありません。


 来春第2回WBCがあります。私は王・野村といった現役の監督が指揮を執るのが最良の方法だと思います。イチローを中心としたチームで鬱憤を晴らし、日本の野球ここにありと世界に訴えてもらいたいものです。

過去のエントリー